戦争を知らない人だけの国はどうなる


現在の日本では、戦争を知ってる人ってのは減少していってる。減少してるとはいっても、戦争体験を聞こうと思ったらそう苦労せずに体験者を探し出すことはできる。


でもいつかいなくなる日がくるんだよな。この国から、戦争を知ってる人がいなくなる瞬間が、100%ではないけど、ある程度の確率で、そういう日がやってくる。1945年以前に生まれた人がこの国からいなくなる。順調にいけば50年後ぐらいだろうか。


いつかくるかもしれない「その日」は、メディアで報道されるだろうか。「メディア」も「報道」もあるかどうかわからないけど、要するに、戦争を知っている最後の日本人は、日本中の注目を浴びて死んでいくのだろうか。誰も興味を示さない、そんな世の中になっていないだろうか。


戦争を知ってる人なんていくらでもいると思ってたが、いつかいなくなる日がくる。それに気がついたときに、ハッとすると同時に、言いようのない恐怖に襲われた。戦争を知らない人だけで構成される国は、きちんとブレーキをかけることができるのだろうか。暴走を防ぐことができるのだろうか。


いずれにしても、戦争を知らない人だけになる日が来なくてはいけない。ブレーキだなんだという話は、それからだ。そういう話ができる日が来ることを願う。