しりあがり寿『弥次喜多 in DEEP 廉価版』感想
弥次喜多 in DEEP 廉価版 (1) (ビームコミックス)
- 作者: しりあがり寿
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2005/03/25
- メディア: コミック
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【いざ、果てへ!】
弥次さんと喜多さんがお伊勢さんを目指して旅する、しりあがり寿を代表するシリーズのひとつ。買ったのはかなり前だったのですが、ちょっと読んでみて、これはまとまった気力と時間がいるマンガだというのを本能的に察知して今日まで読まずにきたのだった。すいません。やっと一気読みしました。
感想。やっぱり壮絶なまでに濃いマンガだった。テキトーな気持ちで読まなくてよかったよかった。
圧倒的な画面の迫力、わざといい加減な線、ユニークな登場人物と舞台設定、そして倫理。これほど心動かされるギャグマンガ(に分類していいのかは疑問がありまくるが)、個人的にはつの丸『みどりのマキバオー』と業田良家『自虐の詩』以来かもしれない。しかもこれで燃え尽きてないですからね、しりあがりさん。それどころかいまだにメジャーからマイナーまで、日刊から月刊から単発から、とんでもない量の仕事をやってます(それもすべてがおそろしいクオリティ)。
祖父江慎の装丁は相変わらず斬新で印象的で目がまわるし、編集担当・岩井好典による帯テキストはこれでもかというくらい変幻自在かつ高い密度であり、160km/hのストレートと4種類の変化球をそなえたピッチャーのよう。この布陣にしてこのマンガ史上に残る不思議マンガあり。よいっ!