不サービス業が台頭してきている


顧客へのサービスを低下させればコストが削減できるように、企業というものはできている。
『不サービス業』とでも名付けようか。

おみやげを大量に買った人に対して、持ち手のない紙袋しか用意しなければ、多くの人は有料でも持ち手のあるビニール袋を購入する。
家が近所なら別だが、遠路はるばる人が集まってくるような有名テーマパークとかだとおもしろいように売れるはずだ。
たまにしか来られないのだからおみやげの数も減らせない。
なかなか考えたな。

空気を入れて膨らませるクッションに穴をあけておけば、客はもう一度買いにくるだろう。
「リピーター」の獲得戦術である。
100円程度の商品なら多少欠陥があろうがそう文句もいわれない。
まぁすぐに壊れるのと使う前から壊れてるのは全く違うのだが。
欠陥には、許容されるものと許容されないものとがあると思う。
このクッションの場合は明らかに後者だ。

‥‥なんてことを考えていたら、同じく100円の衣類圧縮袋に「商品によって空気が抜けにくい場合があります」との表示を見つけた。
当たり前だがこれでは使いものにならないわけで、許容されない欠陥だ。
しかし先手を打っておくことで、苦情がきても「それ覚悟でわかってて買ったんでしょ?」とはねつけることができるのだ。
しかも100円の商品にクレームをつけるための電話代や時間コストを考えればそんな声を発する人はほとんどいない。
なんて考えられた二重三重のリスク管理だろう。

「不サービス業」は一時的に業績があがるかもしれないが、そこに手を染めてはいけない。

サービス向上

顧客満足を高める

リピーター増加

口コミ広がる

他社のシェア侵食

薄利多売経営可能に

得られた利益を源泉に新たなサービス開始

理想はこのサイクルだ。
いずれ「過剰サービス業」という問題が出てくるかもしれないが、それは多くの人にとってうれしい悩みだと思う。